産業医インタビューVol.1 白岡 亮平 先生(後編)

弊社代表で、現役の産業医でもある白岡亮平先生にメディカルフィットネスラボラトリー社で行っている産業医サービスについてインタビューしました!

前編はこちら

特徴①予防を重視した取り組み

昨今、ご相談として多いのはやはりメンタルヘルスに関する問題です。
産業医面談を通して休職・復職時のケアをするのは当然のことですが、不調の発生を減らしたり、悪化する前に早め気づいて対応出来る状態を作ることを常に意識しています。

 メンタルヘルスケアにおいて、上司の果たす役割は非常に大きいと考えています。上司が普段から部下に声をかけたり、ちょっとした体調不良に気づいて業務上の配慮をしたりしながら、深刻化する前に手を打てるよう「ラインケア*研修」のご提供もしています。

*「ラインケア」:部下となる社員に対して、社員の様子の変化を察知して、産業医との相談の段取りや、環境そのものの改善を務めること

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新入社員向けのストレスケアセミナーを実施しました。

また、心と体は繋がっているので、運動コンテンツを提供をすることもあります。オフィスで気軽にストレッチやYOGAを実施できるようにトレーナーを派遣したり、管理栄養士による食事方法についてのセミナーを実施したこともあります。弊社では、六本木にData Fitnessというジムを運営しているので、トレーニングやコンディショニングの専門知識を持ったスタッフが多く在籍しています。今後はさらに、フィジカル面でのケアも積極的に提供していきたいと考えています。

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会社の会議室で椅子を使ったYOGAでリフレッシュ!

 

20代~30代の若い社員の場合、健康診断を受けても明らかな「異常・所見あり」と出るケースは少ないが実情です。ただし、入社後に徐々に体重が増えていたり、なんとなく不調な状態であったりすることは結構起きています。デスクワーク中心で運動習慣が少ないことも一因になっていることも多いのですが、運動があまり好きでない人にとっては自ら運動を始めるのはハードルが高いのも事実です。
 そういうケースでは、「会社」が運動習慣のきっかけを作ることも一つの方法です。過去にはクライアント企業様と一緒に、希望する社員に活動量計を配布して、歩数競争をしてインセンティブをつけるといった施策を一緒に行いました。「みんな」で「楽しみながら」体を動かしてみることがきっかけとしては有効です。企業や社員の特徴に合わせて、様々な新しい取り組みを一緒に企てていければと考えています。

 

特徴②医療サポートの充実

弊社は、医療法人社団ナイズが母体のため、医療機関との連携が非常にスムーズであることは大きな特徴です。産業医として活動の中で、追加検査や医療的なサポートが必要になったときに、すぐにご紹介し、医療サポートを提供することもできます。また、2018年冬には、健診センターを開設するため、これまで以上に、健康診断も含めて従業員の健康管理をトータルでご支援できるようになる予定です。
人事・労務ご担当の方にとっては、健康診断の予約や健診結果の保存などの一連の作業は、実はとても負荷が高いので、システム整備や実務面も含めたサービスを拡充していきたいと考えています。

また、冬季の出張インフルエンザ予防接種も根強い人気です。産業医ストレスチェックなどの弊社サービスをご利用いただいている企業様には優先的にご案内できるような体制を整えています。

特徴③産業医の質へのこだわり

弊社に所属している産業医は、私自身一人ひとりと面談をし、厳選して採用し、その後の育成にも力を入れております。そのため、所属人数には限りがあるのですが、一人ひとりプロフェッショナルな産業医として活躍いただける方ばかりだと自信を持っています。

 

採用基準は、まずは「コミュニケーション能力がある」ことです。
医師は正しいことを言わなくてはと思うがあまり、伝え方が上手くないケースもあるのですが、産業医の場合は、「伝える内容」ももちろんですが、「伝え方」も非常に重要です。相手の状況に合わせて、伝えるべき内容をカスタマイズできる応用力があるか?柔軟性があるか?ということは採用時にもしっかりと見極めるようにしています。

 

また、産業医の場合、診断をするわけではないので、臨床医としての専門性については、必須ではありません。産業医」として、産業衛生のプロである必要があり、臨床医とはまた違った観点が必要です。但し、どうしても、疾病等と結びつけて判断しなければいけない場合もありますので、医師としての専門分野は、あえて多種多様になるように意識しています。私自身、専門は小児科ですし、他にも精神科・婦人科・整形外科・内科など様々なバックグラウンドを持った医師が産業医として従事しています。最近はメンタルヘルス不調など心に関するご相談も確かに多いですが、それ以外にも健康に関して様々な問題が寄せられます。そういった場合に、専門家同士が連携して、知識を持ち寄って対応することができるような体制を目指しています。

また、所属している産業医20代~30代の若いドクターが多いのも弊社の特徴だと思います。クライアント企業の社員が20代~30代中心のため、社員と年代が近く、気持ちを理解しやすい、新しい感覚があるドクターがフィットしやすいのでは、と考えています。

今後のサービス展開について

やはり「予防医療」ですね。
先ほどもお伝えしたように若い社員の健康問題はすぐには表面化しづらい。だけど、この時期の健康はその後の長い人生の中でも大変重要で、50代~60代になってから、「若い時のあの生活が良くなかった」と後悔してしまうような事態は避けたい、と心から思っています。
 

一方で、非常に悩ましいと感じるのは、20代~30代に「健康って大事だよ」と説いても問題も顕在化していない分、行動が変わりづらい。だから、健康に繋がる行動を自然ととりたくなるようなゲーム的な要素を取り入れたりしながら、楽しみながら実施できるサービス設計やご提案をしていきたいですね。
また、取り入れたとしても、健康習慣として継続できるかどうかも一つの壁になります。どう離脱ポイントを克服するかを、科学的なアプローチと実体験に基づくノウハウで磨いていこうと考えています。

今までの産業医は不調になってからの面談が中心だったりして、どうしてもマイナスを0にするようなイメージが強かったように思います。今後は、0を+にするような、ポジティブな面を出しながら、社員さんと関わっていきたいと思っています。(終わり)

 

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