【MFL健康道場】正しい呼吸法が心身の健康をつくる

MFL健康道場 
ー今日もMFL健康道場には健康に関して悩める門下生が集うー

今回のテーマ:「無意識」は不調のはじまり 正しい呼吸法が心身の健康をつくる
 
 呼吸に意識を向けてみてください。呼吸が浅かったり、速かったりしていませんか。
あなたがもし、イライラや体のこわばり、集中力の欠如を感じていたとしたら、
その原因は間違った呼吸法にあるかもしれません。
今回は心身を整える呼吸法についてご紹介します。
 

 

登場人物紹介
  ●高橋Tr:六本木にあるフィットネスジム「Data Fitness」のトレーナー。
   心身を健康にし、よりよいパフォーマンスを出せるよう指導を行う。
  ●ストレスたまりさん(通称スーさん)
   日々の現代社会の荒波に揉まれ、ストレスを溜め込んだ悩める生徒さん。 

 終業後にジムに寄ったスーさん。高橋トレーナーの指導を受ける

高橋Tr:はーいOKです!
スーさん:ハァ…ハァ…(息切れ)
高橋Tr:ずいぶん呼吸が乱れていますね。トレーニング中、呼吸できていましたか。
スーさん:え…っと…どうだったかな。
高橋Tr:私見ていました。できてなかったですよ。
スーさん:そんなはずは!
高橋Tr:呼吸は、体中に新鮮な酸素を巡らせ、身体機能を高めます。
そして体内の老廃物を排出してくれる、大事な行為なんです。
でも皆さん、無意識に行っていませんか?
スーさん:言われてみるとそうかも…
高橋Tr:スーさんが悩んでいる肩こりも、「呼吸」が原因の1つかもしれません!

 


そもそも呼吸とは「ガスの交換」である 

私たちは対外から酸素を取り込み、体内から二酸化炭素を排出します。
このガス交換のサイクルが「呼吸」です。
呼吸が浅く、速くなると、血液循環や自律神経にも影響を及ぼし、肩こりや腰痛、イライラや集中が続かないなどの症状に発展することがあります。

実践してみよう!心身を整える3つの呼吸法

脳や内臓、全身の筋肉に常に新鮮な酸素を供給し続けられる状態にすると、
身体パフォーマンスはぐんと高まります。

◆心身を目覚めさせる呼吸「胸式呼吸」
肋骨の間にある筋肉の運動により、交感神経を優位にします。スポーツをする際の呼吸に多いです。集中力が増し頭がスッキリとします。朝起きてベッドの上または椅子に座って行ったり、オフィスで疲れた時に椅子に座って行うとよいでしょう。

①椅子に浅く座り、姿勢を正します。手は肋骨の上に置きます。
②5秒かけ、肺の中の空気を口から吐ききり、手で胸郭が閉じるのを感じましょう。
③5秒かけ、鼻から空気をゆっくり吸い込み、手で胸郭が広がるのを感じましょう。
※②~③の呼吸を10回程度繰り返す。

 ◆心身をリセットする呼吸「腹式呼吸

横隔膜の運動で、副交感神経を優位にします。リラックスしているときに行われる呼吸です。身体がポカポカし、心身がほぐれていきます。寝る前にベッドの上で行ったり、イライラする時、リラックスしたい時に椅子に座って行うと効果的です。

①膝を立て、仰向けで寝ます。手はお腹の上に置きます。
②1日の疲れを吐き出すように、5秒かけて、口から息を吐ききります。
 手でお腹が平らになるのを感じましょう。
③5秒かけて鼻から息を吸います。手でお腹の膨らみを感じます。
 新鮮な空気をお腹に溜めるようなイメージです。
④5秒間息を止めます。吸い込んだ空気が体の隅々に浸透するようにイメージします。
※②~④の呼吸を10回程度繰り返す。

◆心身を鍛える呼吸「ブレーシング」

腹直筋、腹斜筋群、腹横筋のトレーニングです。姿勢を保持する体幹の筋肉を効率よく鍛えることができます。体幹が安定するため、腰痛予防にも効果があります。そしてお腹周りのシェイプアップにも効果が期待できます。1日に数回分けて行ってみてください。

①足を肩幅程度に開いて立ちます。背筋を伸ばし、正しい姿勢を意識します。
 手はお腹と背中を挟むように添えます。
②8秒かけて、口から息を吐ききります。
手でお腹と背中に力が入っているかどうか確認しましょう。

③5秒かけて、鼻から息を吸います。手で、お腹と背中の力が緩むのを感じます。
※②~③の呼吸を10回程度繰り返す。

 
正しい呼吸法には嬉しい効果がたくさん! 

  • 血液循環の促進(肩コリ、腰痛、冷え性などの改善・予防)
  • 自律神経の調節(イライラ予防、心身のリラックス、集中力の向上など)
  • 内臓の不調解消
  • ダイエット
  • 姿勢の改善

無意識に日常的に行われる呼吸ですが、実は1日に約17,000回も行われています。
呼吸に少し意識を向けるだけで、あなたが感じる心身の不調が改善されるかもしれません。

 

<本記事の医学監修>
白岡 亮平(医師、産業医日本医師会認定スポーツ医)